「キングオブスイマーに」=幼少から夢抱き続け初舞台―競泳・松下選手〔五輪〕
「キングオブスイマーを目指す」。日本時間28日午後、競泳男子400メートル個人メドレーの予選に出場する松下知之選手(18)=東洋大=が小学校の卒業文集に残した言葉だ。1年生の時から、将来の夢を聞かれると「オリンピックで金メダルを取ること」と語っていた。
宇都宮市出身で、5人兄弟の真ん中。兄弟全員が同じ水泳教室に通い、小さい頃は兄2人を追い掛け、現在は弟と妹にアドバイスを送る。母尚代さんは「単純に子供たちが元気いっぱいでじっとしていなかったので、体を動かそうというのが通い始めたきっかけ」と話す。
尚代さんはコロナ前にアスリートフードマイスターを取得し、食事面でもサポートする。尚代さんによると、松下選手は合宿後、刺し身の上にすった山芋と納豆を乗せた特製「ねばねば丼」を食べるのが恒例という。
父尚之さんによると、水泳へのひたむきな姿勢は幼稚園時代から。普段の練習では、帰りの車に乗り、20秒もあれば寝てしまうほど限界まで泳いだ。尚之さんが大会中に撮影した映像は、帰路に就く前に確認し、「入りか」「キックだな」などと自己分析した。
弱音を吐かず常にポジティブ。厳しい練習があっても「きつい練習が楽しい」「こうじゃなくっちゃ」と口にし、表情はいつも明るかったという。
そんな松下選手は、東京五輪には間に合わなかったが、あの日、卒業文集に書いた通りに夢の舞台に立った。「オリンピックで日の丸を背負えるように頑張りたい」。
[時事通信社]
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