2024-07-27 07:25スポーツ

船上の大役、思いを胸に=SHIGEKIXと江村―ブレイキン・フェンシング女子〔五輪〕

開会式でセーヌ川を進む船上で、エッフェル塔を背に日の丸を振る日本選手団旗手の江村美咲と半井重幸(右)=26日、パリ(AFP時事)

 雨の中、全体の93番目でセーヌ川を「行進」した日本の選手たち。ブレイキン(ブレイクダンス)男子のSHIGEKIXこと半井と、フェンシング女子の江村が船上で日の丸を掲げた。五輪に新風を吹き込むアーバンスポーツと、歴史ある伝統競技。2人は日本の「顔」としてのみならず、それぞれの競技への思いを胸に旗手を務めた。
 半井は唯一の新競技の第一人者として臨む。当初はスポーツになることに戸惑いの声が多かったが、常に前向きに歩んできた。「本当にいろいろなことが変わるきっかけになった」。次の2028年ロサンゼルス大会の実施競技からは外れたこともあり、パリに懸ける思いは人一倍強い。「ブレイキンの選手が旗手をすることで、伝えられるメッセージがある」。開会式では、これまで接点のなかった他競技の選手との交流を楽しんでいた。
 引き受けることで競技の発展につなげたいとの気持ちは、江村も同じ。第1回大会から行われている数少ない競技の一つフェンシングだが、日本での知名度は決して高いとは言えない。打診を受けた時は迷いもあったものの、「フェンシングにとってすごくいい機会」。次世代の選手に夢や可能性を持ってほしいという思いが、数少ないプロ選手として活動する江村の大きな原動力だ。
 共に金メダルの有力候補でもある。江村が「感謝の気持ちをプレーで出し切りたい」と意気込めば、半井は「ベストを尽くして自分のスタイルを見せたい」。大役を終え、今度はアスリートとして戦う姿を見せる。 (時事)
[時事通信社]

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