仏高速鉄道で破壊行為、80万人影響=五輪開会前に運行大混乱、旅行客足止め
【パリ時事】フランス・パリと地方都市を結ぶ高速鉄道(TGV)網が26日未明、放火などの破壊行為を受けた。複数の路線で被害が生じ、運行は朝から大混乱に陥った。パリは五輪開会式を目前に国内外から大勢の観光客らが押し寄せており、仏国鉄(SNCF)は80万人の足に影響が出ると発表した。
フランスは五輪の警備に警官・兵士ら数万人を動員。テロ阻止の厳戒態勢を敷いているが、死角を突かれる形となった。
TGVが発着するパリ市内の主要駅では、荷物を手にした旅行客らが足止めされ、ごった返した。駅員は問い合わせや苦情への対応に追われた。ダイヤの乱れは27日も続く見通しだ。
破壊行為は複数の遠隔地で確認された。線路の分岐点付近にある電気・信号設備が放火され、パリと北部リール、東部ストラスブール、南西部ボルドーなどを結ぶ3路線で運休や遅延が生じた。
捜査当局は組織的・計画的犯行とみて、五輪の妨害が狙いだったかを含め調べを進める。仏国内には五輪開催に反対する勢力が存在するが、事件との関係は不明だ。
SNCFは犯行を「悪意のある行為」だと非難。AFP通信に「(高速鉄道の)まひを狙った大規模な攻撃」だと訴えた。アタル首相はX(旧ツイッター)への投稿で「犯人を見つけて処罰する」と強調した。
[時事通信社]
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