五輪開会式、威信懸け警備=フランス、テロ阻止へ7.5万人態勢〔五輪〕
【パリ時事】フランスは26日のパリ五輪開会式を成功させるため、警官や兵士ら7万5000人を動員し警戒に当たる。当日は飛行禁止空域も設定。「平時のフランスで過去最大」(ルモンド紙)の警備態勢を敷き、国家の威信を懸けてテロ阻止に全力を挙げる。
AFP通信によると、配置に就くのは警官・憲兵4万5000人、兵士1万人、民間警備員2万人。このほかドイツやスペインなど隣国を中心に、約40カ国から2000人弱の治安要員が応援に駆け付ける。
開会式はパリを東西に流れるセーヌ川が舞台。選手6000~7000人が85隻の船に分乗して約6キロをパレードし、両岸から約30万人の観客が声援を送る。スタジアム外での開催は夏季大会史上初の試みで、警備当局は当初反対したという。
両岸を含む一帯はテロ対策のため、18日から立ち入りが制限された。市内の繁華街や地下鉄の駅構内では、迷彩服の兵士や武装警官らが絶えず巡回。26日は開会式の開催中、パリを中心とする半径150キロの上空域で旅客機などの飛行が禁止される。当局はドローン飛来やサイバー攻撃にも細心の注意を払っている。
警備を取り仕切るダルマナン内相は、治安部隊に宛てた公開書簡で「(五輪では)世界中の視線が、あなたたちにくぎ付けとなる」と強調。「簡単な任務ではないが、フランスの最も美しい姿を見せよう」と士気を鼓舞した。
五輪を狙ったテロ計画は既に数件摘発され、全て未遂に終わっている。開会式を巡る「明確な脅威は確認されていない」(ダルマナン氏)ものの、競技会場はパリ以外にも、南部マルセイユや南西部ボルドーなど各地にある。8月11日の閉会式まで、警備当局は気の抜けない日々が続きそうだ。
[時事通信社]
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