eスポーツ、「五輪ブランド」と融合=ターゲットは若者―IOC総会
急速に成長するeスポーツの波に乗り遅れまいと、国際オリンピック委員会(IOC)は近年さまざまな形で関与を強めている。昨年はシンガポールで世界大会を主催し、50カ国・地域以上から選手が参加して熱戦が繰り広げられた。
23日にパリで行われたIOC総会では「オリンピック・eスポーツ・ゲームズ」を新設し、来年サウジアラビアで開催することを正式に決めた。バッハ会長は「目的は、新たなデジタル世界への適応だ。われわれは新境地に足を踏み入れた」と意義を語った。
コンピューターによる対戦ゲームが主体のeスポーツは陸上などの伝統競技とは一線を画するが、IOCはなぜこれほど積極的なのか。IOCの取り組みに関わってきたコナミデジタルエンタテインメントの石原靖士さんは、「これまで接点がなかった層や若者と交流できるからではないか」とみる。
eスポーツ界にとっても「五輪ブランド」との融合は大きなメリットと言える。IOCの歩調に合わせるように、昨年の杭州アジア大会では初めて正式競技に採用され、大勢の若い観客が集まり盛り上がった。競技としての地位にも変化があるようで、統括団体の日本eスポーツ連合にも所属する石原さんは「eスポーツが職業として認識され、周囲の理解は進んでいる」と実感を込める。
2026年愛知・名古屋アジア大会でも実施されるが、日本勢は杭州アジア大会で3種目に出場してメダルなし。政府による支援もある中国や韓国と比べアジアでは強化面で後れを取っているものの、学校では部活の設置が急増するなど人気は高まっている。
ゲーム市場は今後も急激な成長が予測され、経済界にとってもeスポーツは目が離せない存在になっている。石原さんも「経済構造は整いつつある」と語る。(パリ時事)
[時事通信社]
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