岸田首相、総裁選「飛び火」警戒か=撤退圧力、日米で類似
バイデン米大統領の大統領選撤退を受け、日本政界では9月に自民党総裁任期の満了を控える岸田文雄首相の去就に改めて注目が集まる。バイデン氏と同様に首相も総裁選不出馬を求める身内の圧力にさらされており、周辺には米国からの「飛び火」に警戒感が漂う。首相は8月のお盆明けにも総裁選対応を判断するとの見方があり、自民内の動きがじわりと本格化しそうだ。
バイデン氏と首相の置かれた政治状況の類似点を指摘する声は少なくない。バイデン氏には身内の米連邦議会民主党から撤退を求める声が続出。大統領選と同時に投開票される上下両院選で道連れになりかねないとの懸念が背景にあった。日本でも来年夏に参院選、来年10月に衆院議員の任期満了が迫り、内閣支持率の低迷に危機感を強める自民内に首相への退陣要求が渦巻く。
こうした中でのバイデン氏の決断に、日本政界にはさざ波が立つ。政府関係者は「『選挙の顔』を代えればいいという声が自民でさらに強まるかもしれない」と指摘。ある現役閣僚は「総裁選への影響は注視しなければいけない」と話す。
バイデン氏の場合、トランプ前大統領という共和党の強力な対抗馬を相手に高齢不安を急拡大させたのに対し、日本の野党は政権交代の受け皿としてまとまりを欠いており、首相の健康状態にも特段問題はうかがえない。首相周辺は「日米は文化も違う。両者を並べるのはおかしい」と述べ、米国に触発された退陣論の高まりをけん制した。
首相自身は側近らと再選に向けた意見交換を重ねており、周辺には「むしろやる気をかき立てられたのでは」(首相官邸筋)との声もある。とはいえ、自民では地方組織にも退陣論が広がっているのが実情。公明党関係者も「うちで首相続投を望む声はゼロだ」と言い切る。首相に批判的な自民中堅は「党の会議で辞任要求すれば面白くなる」と次なる一手をほのめかした。
[時事通信社]
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