古巣相手に豪快アーチ=西武の野村大、新天地で第一歩―プロ野球
野村大の西武移籍後初アーチは一回に生まれた。第1打席に打つことの意味が実は大きい。ナイターの終盤には今年1月に生まれた長男が眠りに就いてしまうからだ。23歳の父は、序盤の打席では集中力が高まる。
1死二塁の先制機。進塁打を打つという意識は「全くなかった。自分で(走者を)かえしたろうと」。迷いなく初球のスライダーをフルスイングで捉えると、打球は一直線で左翼席へ。プロ6年目にして通算2号。新しいユニホームを着て初めてダイヤモンドを回り、「本当に気持ち良かった」。
今月、ソフトバンクからトレードで加入。5年半育ててくれたチームとの初めての対戦で「本当に特別な思いがある。情けない姿を見せられない」と自らを奮い立たせていた。豪快な一発には西武ファンだけではなく、古巣の応援席からも拍手が起きた。
現在は妻と長男を福岡に残して選手寮で暮らしている。急な移籍で家族も不安を抱えているが、活躍が何よりも安心材料になるはず。お立ち台では「これからライオンズで頑張る」と宣言した。殻を破れずにいた野球人生を、新天地で変える覚悟だ。
[時事通信社]
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