半数以上が「やや不足」=子どもの体水分、リスクも―「小まめに飲んで」・新潟大など
児童生徒を対象にした体水分調査で、半数以上が「水分量がやや不足気味」だったとする結果を、新潟大などの研究グループが20日までにまとめた。水分摂取量が少ない状態が続くと、便秘やぜんそく、尿路結石などになるリスクがあり、同グループは「夏の脱水予防はもちろん、暑さが厳しくない季節でも小まめに水を飲むことが重要だ」としている。
調査は、新潟大の天野達郎准教授らが2021年4月と同7月、同大付属新潟小・中学校(新潟市)の児童生徒計349人を対象に実施。起床時の尿を学校へ持参してもらうなどし、尿の浸透圧や成分濃度を調べた。
水の摂取量が少ないと、尿細管で水分の再吸収が促進されるため、尿の浸透圧は上昇する。調査したいずれの時期でも、平均値は「水分量がやや不足気味」とされる値を超過していた。21年4月は検体を提出した人のうち66%、同7月は50%が値を超えていた。
尿は水分が少ないほど色が濃くなるため、カラーチャートを使用し、児童生徒が尿の色で自分の体水分状態を判断できるかも調べた。その結果、「やや不足気味」とされる値を超過した児童生徒のうち、体水分不足を示す色を選択した割合は3割程度にとどまった。このため、研究グループは「子どもたちが尿の色から体水分不足を判断するのは難しいのではないか」と分析した。
昨年6~8月の国内の平均気温は観測史上最高を記録し、今年も酷暑に伴う熱中症が懸念される。天野准教授は「運動時や暑さにさらされている時だけではなく、常に小まめに水を飲むことを心掛けていれば、体水分状態を良好に維持できる」と話している。
[時事通信社]
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