拘束米記者に禁錮16年=審理2回、求刑即日判決―ロシア
ロシアのメディアによると、スパイ罪で拘束・起訴された米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の米国人記者エバン・ゲルシコビッチ氏に対し、中部スベルドロフスク州の州都エカテリンブルクの裁判所は19日、禁錮16年の判決を言い渡した。検察はこれに先立ち同日、同18年を求刑。本人は無罪を主張していた。
バイデン米大統領は19日に声明を出し、ゲルシコビッチ氏が「罪を犯していないにもかかわらず、禁錮16年を言い渡された。記者で米国人という理由で標的にされた」とロシア政府を非難。釈放に向け、ロシア側への働き掛けを続けていく考えを示した。
ゲルシコビッチ氏は昨年3月、ウクライナ侵攻を続けるロシアの戦車工場がある同州ニジニータギルを取材。エカテリンブルクで摘発され、移送先のモスクワで拘束が続いた。審理は原則非公開で、今年6月26日と今月18日の2回しか開かれなかった。
プーチン大統領は2月、ドイツで収監中のロシア人工作員との「身柄交換」を示唆したが、その後に白紙となった。WSJは最近、スロベニアを拠点に工作活動を行い、拘束されたロシア人夫婦と交換する可能性もあると報道。ペスコフ大統領報道官は19日、ゲルシコビッチ氏が帰国できるか否かについて、コメントを避けた。
[時事通信社]
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