浪曲で初の人間国宝=八重山上布も―文化審
文化審議会(島谷弘幸会長)は19日、重要無形文化財保持者(人間国宝)に、浪曲語りの京山幸枝若さん(70)=本名・福本一光=や八重山上布の新垣幸子さん(78)ら6人を認定するよう、盛山正仁文部科学相に答申した。浪曲語りと八重山上布での認定は初。秋ごろ答申通り認定され、人間国宝は108人となる。
京山さんは1971年に父親の初代幸枝若に弟子入りし、72年に京山福太郎を名乗った。多くの舞台で活躍し、初代が亡くなった後、2004年に二代目京山幸枝若を襲名。力強く伸びやかに響かせる高音、緩急自在の節とたんかで作品世界を情感豊かに語る芸が高い評価を受ける。
新垣さんは石垣島で八重山上布の技術指導を受け、73年に自らの工房を開設。琉球国時代の八重山上布を研究、復元し、伝統的な技法を復活させた。独自の感性を生かした大胆な絣(かすり)構成が特徴で、伝統に新たな風を吹き込んだ芸術性が高い評価を得ている。
他に認定を求めたのは、芸能の部で常磐津節浄瑠璃の常磐津一佐太夫さん(81)=本名・井筒泰弘、工芸技術の部で青磁の神農巌さん(67)、沈金の西勝広さん(69)、竹工芸の岐部笙芳さん(72)=本名・岐部正芳。
重要無形文化財保持団体の荻江節保存会の構成員に荻江津弥さん(73)=本名・山田和代=の認定も求めた。
文化審はまた、文化財保存に不可欠な「選定保存技術」の保持者に屋根瓦製作(琉球瓦)の八幡昇さん(74)=沖縄県与那原町=ら6人を、保存団体に琉球瓦葺技術保存会(同県八重瀬町)など3団体を認定するよう答申した。
[時事通信社]
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