「食」で日本をサポート=五輪のパリに拠点、心の支えにも―味の素
パリ五輪に臨む日本選手団を栄養面でサポートするのが食品大手の味の素(東京)だ。製品を提供するだけでなく、一部の競技、選手には食事の取り方なども指導。心身の状態を整えられるよう努めている。
同社は2003年に日本オリンピック委員会(JOC)と共同で、トップ選手の強化支援事業「ビクトリープロジェクト」を開始。五輪では16年リオデジャネイロ大会以降、夏冬とも現地に栄養サポート拠点を設けて軽めの和食を提供している。今夏に向けては、パリで腕を振るうフランス料理のシェフ、手島竜司さんと共に「うま味」の詰まったスープを開発した。
東京五輪前からバドミントンを支援していたが、期待されながら銅メダル1個にとどまった。コロナ禍により一人での食事が習慣化し、普段の力を発揮するための心の準備が整わなかった反省から、海外遠征時には主に低脂質のカレーを一緒に食べる「勝ち飯会」を開催。パリでも現地調整の際に開き、選手の気分を盛り上げる。
新競技のブレイキン(ブレイクダンス)では、本番当日を想定した生活リズムづくりをサポート。昨夏にパリ近郊で行われた強化合宿にも担当者が参加した。従来は体重を気にして演技の間に何も食べない選手が多かったが、だし入りのおにぎりなどの補食で必要な栄養を摂取する流れを根付かせた。
他にも柔道の阿部一二三、詩きょうだい(ともにパーク24)らの減量計画を立て、競泳の選手団には直前合宿から栄養を考慮した食事を提供する。バドミントンとブレイキンを担当する上野祐輝さんは「(選手は)孤独な戦いを強いられてきた。栄養指導するだけではなく、心にも寄り添うことが大事」と話している。
[時事通信社]
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