夫婦別姓、集約難航必至=自民再開、保守派反対強く
自民党は18日、夫婦が同姓か別姓かを選べるようにする「選択的夫婦別姓」制度の是非を巡り、約3年ぶりに党内論議を再開した。経団連が早期導入を求めたことが背景にある。ただ、保守派の反対は根強く、意見集約の難航は必至。9月に想定される党総裁選で争点となる可能性もある。
自民は同日、休眠状態だった「氏制度のあり方に関する検討ワーキングチーム」を再始動。逢沢一郎衆院議員を座長に選んだ。渡海紀三朗政調会長はチームの会合で「社会の在り方にも関係する問題だ。一朝一夕に結論が出るとは思っていない」と述べ、腰を据えて議論を進めるよう求めた。
出席者によると、この日の会合では導入賛成論が反対・慎重論をやや上回った。ただ、党内では賛否が伯仲しているとの見方もあり、党幹部の一人は「慎重に進めなければ党が割れかねない」と懸念を示す。会合後、逢沢氏は記者団に「総裁選前にできればもう1回議論したい」と語った。
選択的別姓制度は法相の諮問機関である法制審議会が1996年に導入を提言。しかし、「伝統的な家族観」を重視する保守派の反対が強く、自民は長年、議論をたなざらしにしてきた。
最近では菅政権時代の2021年にワーキングチームを設置して議論を始めたが、衆院議員の任期満了が迫る中で党を二分する議論は望ましくないとして集約を先送り。岸田文雄首相は21年の党総裁選を前に慎重姿勢に転じており、岸田政権下では議論が進んでこなかった経緯がある。
経団連は6月、保守派が主張する通称使用の拡大では限界があるとして選択的別姓制度の早期導入を提言。これを踏まえ、渡海氏が議論再開に向けて調整を進めた。小泉進次郎元環境相ら総裁選出馬の可能性が取り沙汰される議員の一部は導入に前向きな立場で、党内では「総裁選のテーマになるだろう」(関係者)との見方も出ている。
[時事通信社]
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