攻撃的マインドのDF=大舞台に強い19歳高井―パリ五輪サッカー男子(下)
大舞台になればなるほど、力を発揮するのが大岩ジャパンの最年少、19歳の高井幸大(川崎)。192センチの高さとスピードを兼ね備えたDFで、正確なキックは攻撃の起点になる。出色の働きを見せた今春の最終予選をテレビで見た川崎U18(18歳以下)コーチの玉置晴一さんは、「やっぱり(力を)出したか」と感慨を込める。一目見て、スイッチが入っていたのが分かった。
小学5年生の時に川崎のアカデミーへ入ってきた高井を、FWからセンターバックに変えた。玉置さんの頭に浮かんだのがA代表の主力に成長した、同じ川崎育ちの板倉滉(ボルシアMG)。共通点は「攻撃的なマインドを持っている」ことだ。
当時既に160センチを超えていたこともあり、ボールを扱う技術には苦労した。神経系に刺激を入れるため、タオルを足の指で引き寄せる地道な取り組みを重ね、課題のリフティングも「自主練でやってきたな、というのが見えた」(玉置さん)。
中学生の年代でも指導した玉置さんらが気を付けたのは、積極的にプレーして出たミスを責めないこと。「一見、イチかバチかに見えるところをトライできるのは彼の良さ。セオリーから外れても、選手の感覚は大事にしたかった」。鋭く相手の間を通すパスや、早い段階で相手の攻撃の芽を摘む守備はこうして磨かれた。
おっとりした性格だが、強豪相手に自然とスイッチが入るはず。攻守において積極的なプレーに注目したい。
[時事通信社]
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