2024-07-17 20:55スポーツ

けがとの闘い、弱み見せず=かど番貴景勝、早くも3敗にも―大相撲名古屋場所

貴景勝(奥)は翔猿に送り投げで敗れる=17日、愛知・ドルフィンズアリーナ

 土俵にうつぶせに倒れ、腹にはべったりと砂がついた。9度目の大関かど番の貴景勝が早くも3敗。うるさい翔猿を張り手も繰り出して土俵際まで追い込みながら押し切れない。相手に右でのまわしを許して背中を取られ、投げに屈した。「また頑張るだけ」。自らに言い聞かせるようだった。
 突き押しを貫いてきた27歳。体への負担などは計り知れぬものがあるだろう。5月の夏場所は首の古傷が悪化して2日目から休場。今場所前の出稽古でも、首を気にするそぶりがあった。
 場所中もけがとの闘いは続く。宿舎に戻った後、外食することはなく、出掛けるのはもっぱら治療のためだそう。兄弟子の隆の勝は「場所だけに集中している」と言う。付け人を務める若ノ勝も「自分らには言わないし、見せない」。弱音を漏らすことなく、己と孤独に向き合っている。
 かど番で迎えた2021年秋場所では初日から3連敗を喫したが、7日目からの6連勝で巻き返して脱出。幾度となく、窮地を乗り越えて大関の地位を守ってきた。力強く頭から当たる立ち合いは変わらず、「やることをやるだけ」。闘志に陰りは見られない。 
[時事通信社]

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