2024-07-13 17:07スポーツ

繰り返した1対1=雑草ドリブラー斉藤―パリ五輪サッカー男子(中)

強化試合でプレーする斉藤光毅(右)=6月11日、米国・カンザスシティー(AFP時事)

 身長170センチが、左サイドで大きな相手を面白いように抜いていく。攻撃のキーマンの一人、斉藤光毅(ロンメル)。最大の武器はドリブルだ。
 原点は小学生時代にある。平日は2学年上の兄と公園や路上でボールを蹴り、土日は犬蔵SCの活動へ。チームがほぼ毎週やっていた、ミニゴールを二つ用いて1対1の勝負を90秒間、相手を変えながら繰り返して順位を決める「1対1ツーゴール選手権」がドリブルの根幹をつくった。
 指導した引地広和監督によると、斉藤は常に二つ上の学年に「飛び級」。そこで兄と1位を争うのが定位置だった。「前に転んでも立ってすぐに続けたり、スライディングで奪ってまた続けたり。持って生まれたサッカー小僧。サッカーが好きで、そこに向き合う。それだけでプロになった」
 クラブが1人に一つずつ貸していたオレンジ色のボールは、自主練習のやり過ぎで色がはげ落ち、何度も新しいボールとの交換を引地さんに求めてきたと振り返る。
 高学年時に複数回受けた川崎の下部組織の試験には合格しなかったが、横浜Cのジュニアユースへ。そこでも上の年代でやるのが当たり前で、エースとしてぐんぐん力を付けた。久保建英(レアル・ソシエダード)も小学生時代に一時在籍するなど、地域ではエリート集団と言われる川崎の下部組織に入っていたらどう成長していたかは分からない。
 引地さんは、常にチームの絶対的存在になる環境が斉藤には適していたとみる。「(久保と比べ)光毅は雑草。伸び率で言ったら、光毅の方がすごいかも」。大岩ジャパンの背番号10。期待は大きい。 
[時事通信社]

小学生時代の斉藤光毅(当時所属していた犬蔵SC提供)
斉藤光毅が小学生時代に所属した犬蔵SCの引地広和監督=6日、川崎市内

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