戻ってきた実力者=若隆景、白星先行―大相撲名古屋場所
優勝経験がある元関脇がじわじわと地力を発揮している。右膝の大けがを乗り越え、1年ぶりに番付を幕内に戻した若隆景が白星先行。「場所前にしっかり稽古してきたので」。落ち着いた口ぶりに貫禄が漂う。
互いに返り入幕の遠藤との一番。けんか四つの相手に右を固めてしっかり当たり、圧力で上回った。幕内前半での人気者同士の対戦に館内は大いに沸き、「前に攻められたのでよかった」。
昨年3月の春場所で右膝を痛め、前十字靱帯(じんたい)の再建手術を受けた。下半身が鍛えられない分、上半身のトレーニングに注力。「少しでもいい状態で臨めるようにと思ってやっている」。師匠も止めるほど、己を追い込む姿を間近で見ていた同部屋の実兄、幕下若隆元は「けがしてからも力が落ちた感じがしなかった」と言う。
場所前は、出稽古に来た朝乃山を圧倒することもあり、自信としてきた。番付を戻すことも頭にはあるが、「まずは15日間、自分の相撲を取り切りたい」。大関候補とも言われた29歳は足元を見詰めている。
[時事通信社]
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