既婚者が性別変更申し立て=性同一性障害、要件の違憲性訴え―京都家裁
京都市内の性同一性障害と診断された既婚者が、性同一性障害特例法施行から20年を迎えた16日、戸籍上の性別を男性から女性に変更することを求める審判を京都家裁に申し立てた。婚姻していないことを性別変更の要件とする特例法の規定について、憲法が定める幸福追求権を侵害し違憲だなどと訴えている。
代理人弁護士によると、申立人は出生時の性別と性自認が異なるトランスジェンダーの50代。妻には婚姻前に性別への違和感を打ち明け、結婚後、性同一性障害の診断を受けた。妻の後押しで戸籍上の氏名を変更し、現在は女性として生活している。
特例法が定める要件のうち、非婚要件以外は満たしているという。ただ、円満な婚姻関係が継続しており、妻も「好きになるのは男性だが、家族関係を結ぶのに、性別よりも相手がどういう人かの方が重要」と離婚を望んでいない。
申立人は身分証明が必要な場面で、公的書類上の表記が男性のため、意に沿わないカミングアウトを強いられているとし、「離婚するか、婚姻を継続して不利益を甘受するかの選択を迫られている」などと訴えている。
申し立て後、記者会見した申立人は「証明書が自分を証明してくれない」と話した。同席した妻は「私が離婚するかしないかを選択しなくてはいけない。家族として過ごしてきた9年間がなかったことにされるような悲しさがある。今まで通り夫婦として過ごしたい」と訴えた。
[時事通信社]
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