世界女王に差し込んだ光=北口、カギは柔軟性と姿勢―陸上・パリ五輪「最高の輝きへ」
もがいていた世界女王に、ようやく光が差し込んだ。陸上女子やり投げの北口榛花(26)=JAL=は、12日にモナコで行われたダイヤモンドリーグ(DL)で今季初めて65メートルの大台に到達。明るい笑顔も戻ってきた。
世界選手権で2022年は銅メダル、23年は金の偉業を達成し、大きな期待を背負って迎えたパリ五輪イヤー。だが、冬場に鍛えたパワーやスピードを投てきにつなげる感覚がつかめない。好感触の一投が出ず、「最近のシーズンでは一番悩んでいる」と話していた。
苦悩する中で意識したのは、自身の強みである柔軟性。シーズン序盤は筋肉が凝り固まり、「硬い板」と表現するほどだった上半身を柔らかくする調整に腐心した。「かなり自信を持って臨めた」というDLモナコ大会では、最終6投目で65メートル21をマークして逆転優勝。持ち前の勝負強さも健在だった。
土台には、左脇腹を負傷した東京五輪後、本格的に習慣化した「解剖学的立位姿勢」がある。人間が本来あるべき立ち姿のことで、通っている治療院を通じて知り合った筑波大元准教授の足立和隆さん(67)から学んだ。「自分が動きやすい体は、基本としている元の姿勢にある」。事あるごとに正しい姿勢に戻すケアを受けてきたことで、大きな故障なく過ごしてきた。
陸上の日本女子で3人目、トラック・フィールド種目に限れば初の金メダルが懸かるパリ五輪。「シーズン初めはいろいろ考えて、ごちゃごちゃしたまま試合に臨んでいた。五輪は整理された状態で臨めたらいい」。思考をクリアにして描く放物線が、はるか先の栄冠に届くと信じている。
[時事通信社]
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