不動産低迷に危機感=「3中総会」で議論へ―中国
中国で不動産市場の低迷が深刻化している。今年1~6月の住宅販売面積は前年同期比21.9%減少。当局も危機感を強めており、15日に開幕した共産党の重要会議である第20期中央委員会第3回総会(3中総会)でも主要議題となる可能性が高い。
北京から西に約900キロ離れた寧夏回族自治区の銀川市。市街地の一角で、公的資金を投じて住宅を低価格で売り出す自治区主導のプロジェクトが進んでいた。ただ、地元で不動産販売を手掛ける男性は、自身の店では売れたのが「2戸だけ」とぼやく。
不動産市場の低迷は、開発大手の中国恒大集団が経営危機に陥った2021年に始まった。消費者の節約志向が強まり、購入を手控える動きが広がる中、住宅販売面積は2年間で4割近く減少。販売単価も下がった。
長引く不動産不況は、関連収入を主な財源としてきた地方政府の財政悪化にもつながった。中央政府は昨年12月、寧夏など一部の地方について、財政再建が必要との認識を示し、新規の公共事業を制限すると発表。一部では、電気料金の値上げや公務員給与の減額が始まったもようだ。
銀川から車で1時間ほどの同自治区石嘴山市を訪れると、至るところで建物の建設工事が止まっていた。かつて石炭産業で栄えたが、資源の枯渇に伴って人口が流出し、今や国内で最も住宅価格が安い都市の一つとして知られる。不動産業者の男性は銀川の半額以下と明かし、1平方メートル当たりで「学校の近くなら3000元(約6万5000円)、少し離れたら2000元」と語る。市の人口は依然として減っており、今後も値上がりは見込みにくいのが実情だ。
一方、都市と地方の格差も鮮明になっている。北京市では、不動産価格の大幅な下落は起きていない。今年1~6月の住宅販売動向によると、新築販売価格の指数は前年同期比0.3%のマイナスで踏みとどまった。業界関係者は「中心部の物件では今も値上がりしているところが多い」と強調。3中総会でも中央に偏る財源配分見直しが議題に上るとみられている。
[時事通信社]
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