米大統領選に神経とがらす=トランプ氏なら譲歩と警戒―ウクライナ
ロシアによる侵攻を受けるウクライナが11月の米大統領選の行方に神経をとがらせている。「24時間以内に戦争を終わらせる」と話すトランプ前大統領が返り咲けば、停戦で譲歩を迫られる可能性もあり、バイデン政権頼みの戦略を練り直しているもようだ。
米ブルームバーグ通信は10日、ゼレンスキー政権が第2回「平和サミット」を米大統領選までに開催するよう模索していると伝えた。6月の前回と異なり、ロシアの参加を想定。ウクライナ側の和平案「平和の公式」が選挙後も力を持つよう布石を打つ狙いがありそうだ。
第1回はロシア抜きでスイスで実施。ただ、対ロ関係を重視する新興国などの多くは参加しても共同声明に署名しないなど、会議の在り方に課題を残していた。
ウクライナが警戒するのは、トランプ氏が自身の顧問から提示されたという「和平案」。ロイター通信が伝えた内容によると、対ロ交渉を拒否してきたゼレンスキー政権は、対話に転じた場合のみ米国の追加軍事支援を受けられる。領土回復ではなく、占領継続を前提としており、ウクライナ側には不利だ。
バイデン米大統領は6月のテレビ討論会で精彩を欠き、今月の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の関連会合でゼレンスキー氏を「プーチン大統領」と言い間違えた。ゼレンスキー氏は今後に備え、和平案を巡ってトランプ氏と直接協議する考えをブルームバーグに表明している。
[時事通信社]
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