東欧チェコ、「親台湾」なぜ?=相次ぐ要人往来、中国反発にも動じず
【プラハ時事】東欧チェコが「親台湾」の姿勢を強めている。正式な外交関係は持たないものの、要人らが相次ぎ訪台。中国の反発を受けつつも関係強化を進めており、欧州でもリトアニアなどと並び際立っている。
「台湾は重要な民主主義のパートナーだ」。チェコ上院のドラホシュ第1副議長は時事通信のインタビューに応じ、そう話した。同氏は6月に訪台し、頼清徳総統らと面会した。
チェコは、2020年のビストルチル上院議長を皮切りに、下院議長など議会幹部らが相次いで訪台。台湾からも閣僚や就任前の蕭美琴副総統がチェコを訪問するなど、相互交流も深めている。
「親台湾」の一因としては、中国への反発がある。チェコは16年に中国の習近平国家主席の訪問を受け戦略的パートナーシップ協定を結ぶなど、一時は中国との関係を強化した。だが、約束された投資が実行されないなどとして中国への不満が相次いだ。一方で、半導体分野などでの台湾からの投資への期待が高まった。
ドラホシュ氏はさらに、「チェコと台湾は共に非民主的な体制を経験しており、民主主義に至るまでの道のりが似ている」ことも理由に挙げる。第2次大戦後、チェコはソ連の影響下で共産主義陣営に組み込まれ、台湾も国民党が独裁体制を敷いた。1980年代末以降、それぞれ強権体制から転換した経験も共通している。
そんな事情から台湾への傾斜を強めるチェコだが、中国は反発している。2023年1月に大統領就任前のパベル大統領が蔡英文総統(当時)と電話会談した際には、「中国の内政に干渉した」(中国外務省)と強く非難した。
だが、それでもチェコの方針は揺らいでいない。ドラホシュ氏は、「民主主義と自由、人権は、欧州の国々にとって最も重要な価値観だ」と強調。その上で、「分別のある欧州の人々は、台湾への支援を考えるべきだ」と訴えた。
[時事通信社]
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