マッチングアプリでマルチ勧誘=特商法違反容疑で4人逮捕―4年で8.5億円集めたか・警視庁
業務禁止命令に従わず、マッチングアプリでマルチ商法の勧誘をしたなどとして、警視庁生活経済課は11日までに、特定商取引法違反容疑で、人材コンサル会社「プレジデント」元社長の坂本新(30)=川崎市麻生区片平、経営コンサル会社「モノリス」社長の大森航斗(26)=東京都墨田区緑=両容疑者ら4人を逮捕した。同課は認否を明らかにしていない。
同課によると、禁止命令違反によるマルチ商法摘発は全国初。4人が2019年10月~23年11月、42都道府県の大学生ら約2000人から約8億5000万円を集めたとみて調べる。
他に逮捕されたのは、コンサル会社「パイオニア」社長の奥寺大(28)=名古屋市北区金城、コンサル会社「More」社長の森田帆南(28)=渋谷区笹塚=両容疑者。
逮捕容疑は昨年4~6月ごろ、都からマルチ商法を巡る業務を禁止されていたのに、都内の20代男性ら数人を勧誘するなどした疑い。
同課によると、坂本容疑者らはマッチングアプリで、恋人を探す大学生らに接触。大森、奥寺両容疑者が運営するビジネススクールに勧誘し、「1人紹介すれば10万円もらえる」と言って入会金などを払わせていた。
パイオニアは訪問販売にも関与し、同様の手口で情報商材を購入させていた。
プレジデントは、モノリスとパイオニアの2社に対し、ビジネススクールを使った会員の勧誘方法を指導。集まった資金はいったんプレジデントに送られた後、2社に分配されていた。
都は昨年3月、2時間以上引き留めるなどのしつこい勧誘をしたとして、特商法違反で坂本、大森、奥寺各容疑者に同12月までの業務を禁じた。
これを受け、森田容疑者がMoreを設立。坂本容疑者らがビジネススクールの講師を務め、マルチ商法による会員勧誘を継続していた。
都によると、都内では19年以降、モノリスなどに関し、「ビジネススクールの入会金のため借金をした」などとの相談が100件以上寄せられていた。
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