空中で魅せる高度な連係技=ハンドボールの「スカイプレー」―パリ五輪・JAPANの技
走り、跳び、ぶつかり、投げる。「空中の格闘技」と呼ばれるほど激しいハンドボールで、花形プレーは空中で連係する「スカイプレー」だ。男子日本代表の部井久アダム勇樹(東京)は「派手で魅力的。決まると僕らも気持ちいい」と笑う。
ハンドボールでは、守備側のGK以外はゴール前に入れない。ただ、空中でのプレーは認められており、そこで繰り出されるのがスカイプレーだ。体格で上回る海外勢に対抗する高度な連係技の一つとして、日本にとって武器になる。
難易度は高い。ボール保持者は逆サイドにいる選手の動きに合わせ、山なりのパスを出す。受け手はゴールエリア内にジャンプし、着地する前に捕球してシュート。技術に加え、両者の息も合って初めて成功する。
使いどころはやはり、1点が欲しい場面。サインやアイコンタクトで意思を統一。パスが通れば、ほぼシュートが決まるほどの成功率だ。味方を勢いづけ、相手に精神的なダメージを与える効果も持ち、部井久は「高い位置に出ようとする相手の裏を狙ったり、意表を突いたり。非常に戦術的」と解説する。
相手選手でさえ踊らされるアクロバチックなプレーに「急に仕掛けるので、ボールだけじゃなく周りの選手も見ていてほしい」と部井久。大歓声と熱狂を呼ぶ一瞬に、華やかさが詰まる。
[時事通信社]
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