NATO首脳会議、9日開幕=ウクライナ支援継続が議題
【ワシントン時事】北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が9日、米ワシントンで3日間の日程で開幕する。ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援継続などが主要議題となる見通しだ。NATO加盟を目指すウクライナのゼレンスキー大統領も参加する。
首脳会議には日本の岸田文雄首相ら、インド太平洋4カ国の首脳も3年連続で招待された。ロシアが中国や北朝鮮と関係を深める中、民主主義陣営の連携を確認する。首脳会議に合わせ、NATO設立75周年の記念式典も開く。
首脳会議では、同盟軽視の傾向が強いトランプ前米大統領が11月の大統領選で返り咲いた場合に備え、これまで米国が主導してきたウクライナ支援の調整をNATOが引き継ぐことで合意する。加盟国からウクライナ追加支援の発表も見込まれている。
ストルテンベルグ事務総長は7日、米CBSテレビに出演し、「ウクライナ支援を強化するための重要な決定を下すことになる」と述べた。ストルテンベルグ氏は10月に任期満了を迎え、後任にルッテ前オランダ首相が就くことで加盟国は合意している。
開催国のバイデン米大統領は11日に記者会見を予定。民主主義陣営の結束とウクライナ支援継続の重要性を訴える見通しだが、高齢による衰えへの不安が強まる中、会見内容よりも振る舞いに注目が集まりそうだ。
西側諸国に広がる「ウクライナ支援疲れ」を背景に、NATOの内患も消えていない。トランプ氏の再登板が現実味を帯びているのに加え、6月の欧州連合(EU)欧州議会選では極右勢力が躍進した。ロシアに融和的な加盟国ハンガリーのオルバン首相は今月5日、ウクライナ問題の「仲介者」を自任してモスクワを電撃訪問し、プーチン大統領と会談。他の首脳らから非難を招いた。
[時事通信社]
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