解散請求、審理は長期化か=続く敗訴、財産監視も強化―安倍氏銃撃事件契機に厳しい立場に・旧統一教会
安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件から、8日で2年となる。山上徹也被告(43)=殺人罪などで起訴=が逮捕後に事件の動機として挙げたことをきっかけに、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の高額献金問題などに注目が集まった。昨年10月には文部科学省が解散命令を請求。財産監視の強化対象に指定され、高額献金を巡って一、二審で勝訴した判決が見直される可能性も出るなど、教団は厳しい立場に追い込まれている。
事件後の2022年11月に初めて「報告徴収・質問権」を行使して以来、教団への質問を続けてきた文科省は昨年10月、民法上の不法行為などを理由に東京地裁への解散命令請求に踏み切った。
地裁は今年2月、非公開で国と教団の双方から意見を聴く審問を初めて開いた。教団側は「献金受領は宗教活動の一環」と主張し、「(山上被告の)願い通りに解散を目指すのは異常事態」だと反発。その後も書面での議論が続くが、審理は「まだ5合目にも達していない」(教団関係者)とされ、長期化は必至だ。
解散命令の決定前に財産を流出させるのを防ぐため、文科省は3月、教団を財産監視の強化対象となる「指定宗教法人」とした。同月には東京地裁が、教団が文科省の質問に正当な理由なく回答を拒否したと認め、教団代表に過料10万円の支払いを命じている。
教団側は情報番組で批判的な発言をした弁護士やジャーナリスト、テレビ局などに対し、名誉毀損(きそん)を主張して次々と訴訟を起こしたが、相次いで退けられている。訴えられた弁護士の一人は「言論の萎縮を狙ったものだ」と批判する。
献金の勧誘行為を巡る訴訟でも動きがある。元信者の女性の娘が教団に約6500万円の損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷は6月、弁論を開いた。弁論は二審の結論変更に必要な手続きで、教団側勝訴とした一、二審判決が見直される可能性がある。
焦点となるのは、教団が元信者と交わした「返金を求める訴訟を起こさない」という念書の有効性だ。一、二審は有効と認めたが、この判断が見直されれば同様のケースにも影響を与えるとみられ、今月11日の判決が注目される。
[時事通信社]
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