米、協調路線見極め=トランプ氏復権で影響も―イラン大統領選
【ワシントン時事】バイデン米政権は、イラン大統領選で改革派のペゼシュキアン元保健相が勝利したことを受け、国際協調路線を掲げる同氏の出方を慎重に見極める構えだ。ただ、ロシアや中国との関係を深めるイランに対する警戒感は根強い。11月の米大統領選の結果も、米イラン関係に影響を及ぼす見通しだ。
バイデン大統領は2021年1月の政権発足後、トランプ前大統領が18年に一方的に離脱したイランとの核合意の立て直しを図った。だが、間接交渉は実を結ばず、バイデン氏が核合意は「死んだ」と発言したことが伝えられている。
ウクライナ侵攻で対ロシア軍事支援を実施したイランに対し、バイデン政権は制裁強化で応じた。それでも昨年には、イランが拘束していた米国人を解放する見返りに、イラン資産の凍結を解除する合意が成立。信頼構築の動きが生まれていた。
しかし、イランを「後ろ盾」とするパレスチナのイスラム組織ハマスが昨年10月にイスラエルを急襲すると事態は一変。米政府はイラン資産を再び凍結した。米大統領選まで、バイデン氏が対イランで「弱腰」な姿勢を見せることはできないのが現状だ。
今後は、トランプ氏が復権するかどうかも両国関係を左右する。トランプ氏が1期目と同様の強硬姿勢を貫けば、ペゼシュキアン氏が対話路線を取ったとしても頓挫する可能性が高い。
ただ、トランプ氏は6月、オンラインでのインタビューで、イランはミサイルを含む核戦力を保有すべきではないと主張した上で「それ以外はあらゆることを話し合う」と強調。イランとの「取引(ディール)」に含みを持たせている。
[時事通信社]
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