2024-07-03 16:06スポーツ

競泳のマルシャン、新時代の中核=フェルプスの後継者か―パリ五輪・トリコロールの旗手

パリ五輪の競泳で活躍が期待されるフランスのマルシャン=6月19日、フランス・シャルトル(AFP時事)

 2012年ロンドン大会を最後に五輪の金メダルがないフランスの競泳陣。100年ぶりのパリ開催に合わせるように、22歳のレオン・マルシャンが新時代の中核を担う存在に変貌した。
 昨年の世界選手権(福岡)の男子400メートル個人メドレーで4分2秒50の世界新。マイケル・フェルプス(米国)が高速水着時代の08年北京五輪で4分3秒84をマークして以降、4分3秒台さえ誰も出せなかった。それだけに、競泳界に与えた衝撃は大きかった。
 両親は仏代表として五輪に個人メドレーで出場した水泳一家。素質が開花したのは21年東京五輪後、フェルプスを育てたことで知られるボブ・バウマンコーチに師事したからだ。
 その後の進境は、世界新を出したレースの前半200メートルが象徴している。1分56秒台での折り返しは、6位だった東京五輪決勝よりも6秒以上速い。「特にバタフライの感覚が良く、背泳ぎは簡単ではなかったが、良い感触で(その後の)平泳ぎもいけると思った」と言う。
 楽に速く後半につなげられるようになったことで、大幅な自己ベスト更新に結び付いた。バウマンコーチへの信頼は厚く、「(選手が)進歩し続けるために何に取り組むべきか分かっている」と実感を込めて話す。
 マルシャンは3年前、1種目しか五輪決勝に残れなかった。今では世界選手権覇者の本多灯(イトマン東進)らが出る200メートルバタフライや、日本の「お家芸」とされる200メートル平泳ぎでも表彰台の有力候補。複数種目で金メダルを量産したフェルプスの後継者への第一歩をパリで踏み出す。そんな雰囲気が出てきた。 
[時事通信社]

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