個人国債金利、高水準に=10年物、初回0.72%―8月発行分
財務省は3日、8月に発行する個人向け国債について、半年ごとに金利を見直す変動10年物の初回利率を年0.72%に設定したと発表した。7月発行の0.69%から引き上げ、2012年1月以来、約12年半ぶりの高水準。5年固定金利型の利率も0.61%と、09年7月以来、約15年ぶりの高水準となった。
日銀の利上げ観測などを受けた長期金利の上昇を反映した。募集期間は今月4~31日。
大手銀行の定期預金金利は現在10年が0.3%、5年が0.2%となっている。
個人向け国債は03年3月に発行開始。05年度は最高となる7.2兆円を発行したが、その後急減。19年度には5.2兆円まで回復したが、新型コロナウイルス禍で対面販売機会が減った20年度以降は3兆円前後に低迷している。
国債保有者に占める個人の比率は低い状態が続き、今年3月末時点で約1.1%。最大の買い手である日銀が買い入れの減額方針を決めた中、個人の保有促進を含め保有者層の多様化が課題となっている。
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