イメージ刷新へ若手擁立論=自民総裁選、小林鷹之氏らの名
自民党派閥の裏金事件で傷ついた党のイメージを刷新しようと、9月に想定される党総裁選で若手議員を擁立すべきだとの声が党内でじわりと広がっている。衆院当選4回の小林鷹之前経済安全保障担当相(49)らの名前が挙がるが、世論の批判をそらしたい思惑が先行気味。準備不足の印象は否めず、実現の見通しは不透明だ。
小林氏は2日、経団連の会員向けの会合で経済安保をテーマに講演。関係者によると、会場はほぼ満員で、関心の高さをうかがわせた。小林氏本人は1日発売の月刊誌のインタビューで「時が来たらチャレンジしたい」と将来の総裁選出馬に意欲を示した。自民ベテランは「資質があり、若手らの期待も高い」と「一推し」する。
若手待望論は、衆院議員の任期満了が来年10月に迫る中、裏金事件を受けて猛烈な逆風にさらされる自民議員の焦りの裏返しだ。党内では小林氏に加え、小泉進次郎元環境相(43)、福田達夫元総務会長(57)、小倉将信前こども政策担当相(43)らの名もささやかれる。閣僚経験者は「若手がどんどん出て、党の新しいイメージを示せばいい」と期待を示した。
ただ、現在の衆院の勢力を前提にすれば、自民総裁選は事実上の首相選びだ。経済官庁幹部は「経験不足は政治の不安定化に即つながる」と懸念する。2日の小林氏の講演を聞いた出席者からは「話しぶりが堅過ぎる」と不満も漏れた。
総裁選では全国100万人超の党員に対する政策パンフレットの郵送などで「数億円単位」の資金が必要になるとされ、「結局は有力者の後ろ盾を得ないと戦えない」(自民関係者)との声もある。党中堅は「どこまで本人たちが本気なのかが問われる」と語った。
[時事通信社]
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