新紙幣、3日発行=20年ぶり、偽札防止へ新技術―肖像は渋沢、津田、北里
20年ぶりに刷新された紙幣が3日に発行される。1万円札には近代日本を代表する実業家の渋沢栄一、5千円札は現在の津田塾大学を創立した津田梅子、千円札はペスト菌を発見した細菌学者、北里柴三郎の肖像を描いた。紙幣に世界で初めて採用された「3次元(3D)ホログラム」など、最新の偽造防止技術も施した。
3Dホログラムは紙幣を傾けると肖像が立体的に動いて見える技術で、「すかし」部分の背景にも微細なひし形模様を入れて偽造しにくくした。インクを盛り上げて印刷する特殊技術により、目の不自由な人が指で触って札を識別しやすいようにした。
新紙幣は2021年に1万円札の製造が始まった。日銀は今年6月末時点で3種類合わせて約52億枚を備蓄している。前回紙幣が刷新された04年時の約50億枚とほぼ同水準。今年度末の累計製造枚数は74億8000万枚に上る見通しだ。
日銀は3日、東京・日本橋本石町の本店と全国の32支店で金融機関専用窓口を通常より1時間早い午前8時に開け、これをもって新紙幣を「発行した」とみなす。金融機関は運び込まれた新札を各店舗に割り振る。
財務省によると、金融機関のATMは新紙幣に対応するための改修がほぼ完了しており、3日から段階的に店舗の窓口やATMなどで入手できる。前回刷新時は、11月の発行から約1年で6割の紙幣が新札に切り替わった。
[時事通信社]
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