「邦人の安全」懸念伝達=財界訪中団、中国要人と会談
【北京時事】日本国際貿易促進協会(会長・河野洋平元衆院議長)の訪中団は1日、北京の人民大会堂で何立峰副首相と会談した。スパイ摘発を強化する中国の改正反スパイ法や、先月、江蘇省蘇州市で日本人母子らが刃物で襲撃された事件を念頭に、経済交流に関わる邦人の「安全」に関する懸念を伝達した。
同行筋によると、河野氏は中国での邦人拘束問題に触れ、「日本人の対中投資を逡巡(しゅんじゅん)させる大きな理由になる」と指摘。「法解釈の透明度を高めてもらえれば、経済交流の安心感につながる」と強調した。蘇州の事件については「日本人を狙ったのかそうではないのか、はっきりさせてほしい」として真相究明を求めたほか、中国短期滞在時のビザ免除措置の再開を改めて要請した。
何氏は「両国の貿易・経済関係をさらに拡大していきたい」などと語るにとどめた。蘇州の事件に関しては「偶発的な事件だった」と説明し、日本人が狙われた可能性を否定した。
[時事通信社]
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