犠牲者281人、傷癒えず=仮設暮らし1.7万人―能登地震、きょう半年
能登半島地震の発生から1日で半年を迎えた。地震による犠牲者は281人で、平成以降の地震災害では東日本大震災、阪神・淡路大震災に次ぐ規模となった。インフラ復旧や避難所解消が徐々に進む一方、倒壊家屋の大半はほぼ手つかずの状態で、災害の傷痕は癒えないままだ。
犠牲者のうち災害関連死は52人で、県などの審査会が認定した人を含めると死者は299人。家屋8万3980棟が被災し、県内外へ最大で約3万4000人が避難した。
6月27日現在の避難者は2288人まで減り、避難所は徐々に縮小。断水も土砂災害の危険がある山間部などの約1500戸を除き解消された。
被災地では仮設住宅の建設が進み、アパートなどを行政が借り上げる「みなし仮設」を含め、約1万7000人が入居した。石川県は市町から申請のあった約6800戸について8月中の完成を目指す。
一方、倒壊した家屋の公費解体は進んでおらず、申請を受け付けた約2万棟のうち、1万8000棟余りが未着手のまま。若い世代を中心に人口流出が深刻化し、被害が甚大だった奥能登2市2町では、元日から4カ月で前年同期比3倍の2600人減った。
4月時点の奥能登地域の高齢化率は約5割に上り、自治体などの見守りによる孤独死防止も課題となる。県や市町は国からの特別交付税で造成した約540億円の復興基金を使い、被災者の生活復旧や住宅再建、なりわい再建支援を本格化させる。
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