円安、一時161円28銭=37年半ぶり、半年で20円下落
円相場は2024年上半期末となった28日の東京外国為替市場で一時、1ドル=161円28銭まで下落し、1986年12月以来、約37年半ぶりの安値水準を更新した。日米金利差を意識した円売りに加え、輸入企業による決済目的とみられるドル買いが進んだ。今年に入ってから6カ月間の下落幅は約20円となった。
28日午後5時現在は160円92~93銭と前日比38銭の円安・ドル高。四半期末と月末の最終営業日が重なり、輸入企業の駆け込み的なドル買いが入った。昨年12月29日午後5時との比較では19円53銭の円安・ドル高。
円安の背景には、米景気が底堅く推移し、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ開始が市場の当初予想よりずれ込んでいることがある。日銀は3月にマイナス金利政策を解除し、追加利上げも視野に入れるが、日米金利差には大きな開きがあるため、円売り・ドル買いが進みやすくなっている。
上半期の円相場は4月29日に一時160円20銭台に急落。政府・日銀は、急激な円安を防ぐため、4月下旬から5月下旬の間に月次ベースで過去最大となる計9兆7885億円の為替介入を実施した。円相場が151円台後半に持ち直す場面もあったが、介入効果は長続きせず、6月下旬に入って再び160円台に戻った。
為替介入の実施権限を持つ鈴木俊一財務相は28日午前の記者会見で円安について、「高い緊張感を持って注視しており、過度な変動に対しては適切な対応を取っていきたい」と述べ、市場の動きをけん制した。
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