自民総裁選、事実上の号砲=茂木・石破氏ら動き活発
岸田文雄首相が通常国会中の衆院解散を見送り、自民党内で9月に想定される総裁選を見据えた動きが活発化してきた。茂木敏充幹事長や石破茂元幹事長ら「ポスト岸田」の有力候補が会合を重ねる一方、派閥裏金事件に対する危機感から若手や女性への「刷新」を求める意見も浮上。再選を目指す首相を横目に、事実上の「号砲」が鳴った形だ。
茂木氏は19日、2012年衆院選の初当選組でつくる「いいくに会」の会合で講演。「成功の反対語は失敗ではない。やらないことだ。チャレンジしなければ新しい時代は来ない」と総裁選への意欲をにじませた。
14日は麻生太郎副総裁と約3時間半、19日は菅義偉前首相と2時間超にわたって会食。他派閥の中堅・若手とも積極的に交流している。
石破氏は、世論調査の「次の首相」候補でトップの常連。党内基盤の弱さは相変わらずだが、総裁選では次期衆院選や来年夏の参院選が意識され、新たな「選挙の顔」を望む議員心理が強まる可能性もある。
19日に開催した勉強会には、石破グループや二階派などから20人弱が参加。石破氏は記者団に「人数が多いわけではないが、コンスタントに(会合を)やっていくことに意義がある」と語った。20日は二階俊博元幹事長と党本部の会合で同席した。
党内では、同じく国民的人気の高い河野太郎デジタル相、小泉進次郎元環境相への待望論も根強い。
手堅い手腕に定評がある加藤勝信元官房長官の名前も取り沙汰されている。閣僚として共に菅政権を支えた萩生田光一前政調会長、武田良太元総務相とは定期的に会食する間柄で、3氏の頭文字から「HKT」と呼ばれる。6日は菅氏をゲストに招き、党内の注目を集めた。
最近、知名度を高めているのが上川陽子外相だ。21日の記者会見では総裁選の対応を問われ、「期待はありがたく受け止める」と述べた。21年の前回総裁選に立候補した高市早苗経済安全保障担当相は、保守系を中心に支持拡大を図っている。
中堅・若手の間には、49歳の小林鷹之前経済安保担当相を推す声もある。
[時事通信社]
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