改正規正法、課題残し成立=立民、内閣不信任案を20日提出―首相「信頼確保に取り組む」
自民党が派閥裏金事件を受けて提出した改正政治資金規正法は、19日の参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。立憲民主党など野党は反対した。岸田文雄首相(自民総裁)が23日までの今国会中の成立を優先したため、制度設計の詳細は多くが先送りされた。立民は「抜け穴」が残ると厳しく批判。内閣不信任決議案を20日に提出することを決めた。
「政治とカネ」の問題は今国会最大の焦点。改正法の成立を受け、首相は記者団に「(裏金事件の)再発防止と、政治資金の透明性向上という観点から、実効性のある制度となった。引き続き国民の信頼確保に着実に取り組む」と強調した。
立民は臨時の執行役員会で決議案提出を決定。泉健太代表は記者団に、19日の党首討論で首相に衆院解散・総選挙を迫ったことに触れ、「規正法改正は不十分で、首相に危機感や覚悟は全く見えなかった」と断じた。安住淳国対委員長によると、決議案は立民が単独提出し、日本維新の会や共産、国民民主各党が賛成する。
改正法の施行日は、一部を除き2026年1月1日。議員本人に政治資金収支報告書の「確認書」作成を義務付け、会計責任者が不記載などで処罰され、チェックが不十分だった場合は公民権停止の対象とする。政治資金パーティー券購入者の公開基準額は「20万円超」から「5万円超」に引き下げる。
一方で、積み残しの論点も多い。政党から党幹部らに支給される政策活動費は、支出の「年月」などを公開することになったが、10年後の領収書公開の方法や、使途を監査する第三者機関の設置時期などは、今後の検討事項にとどまった。野党が求めた企業・団体献金の禁止や、政策活動費の廃止も盛り込まれなかった。
[時事通信社]
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