レーザーでドローン対処計画=陸自車載型、装備化目指す―川重、三菱重工と契約・防衛省
防衛省が小型無人機(ドローン)対策として、陸上自衛隊に配備されている汎用(はんよう)性の高い「高機動車」などの車両にドローンを無力化するレーザーを搭載し、対処能力を実証する計画を進めていることが、同省への取材で分かった。
防衛省は3月、陸自の高機動車に搭載するレーザーの取得契約を川崎重工業と約15億円で、トラック搭載型レーザーの取得契約を三菱重工業と約19億円でそれぞれ締結。ドローン捜索に使うレーダーの取得契約も2月に東芝インフラシステムズと結んだ。
同省は、2025年度末までの車両搭載型レーザーの試作を目指す。その後、陸自が装備化に向けた実証試験を行い、追尾・破壊効果などの性能や運用要領を検証する。高機動車は全国の陸自普通科部隊で人員輸送などに幅広く運用されている。
計画は、ドローンへの対処能力強化を明記した防衛力整備計画(23~27年度)など、安全保障関連3文書に基づくもので、同省は「民間の先端技術も活用し、早期装備化を目指す」としている。
これとは別に、防衛装備庁は、より高出力・高性能のレーザーシステムの研究を進めている。防衛省は「研究の中で得られた成果は陸上自衛隊を含め防衛省内で共有されており、取得する装備の設計・製造に反映させたい」としている。
ドローンを巡っては、海上自衛隊横須賀基地(神奈川県)に停泊中の大型護衛艦「いずも」を空撮したとする動画が拡散され、実際に撮影された可能性が高いことが防衛省の調査で判明。米海軍横須賀基地の米空母やイージス艦をドローンで撮影したとみられる映像もSNSに投稿された。
[時事通信社]
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