不公平感解消が課題=給食無償化、巨額の財源必要
文部科学省が12日公表した学校給食の調査では、無償化の取り組みが広がっている実態が明らかになった。一方、給食を食べていない児童生徒も一定数いることが判明。全国で無償化するには、弁当代などを自己負担する子どもとの不公平感をどう解消するかが課題となる。
自治体間の格差をなくすため、全国一律の無償化を望む意見は根強い。ただ、調理施設がなく給食を出していない学校があるほか、アレルギーなどで弁当を持参する子どもも多い。調査によると、給食を食べていない児童生徒は私立も含め約61万人。文科省担当者は「こうした子どもへの支援をどう考えるか、今後の課題の一つだ」と話す。
無償化の取り組みとして、公立だけでなく私立に通う児童生徒も広く支援する自治体がある。埼玉県坂戸市は2023年度、私立の小中学生向けに市立校の給食費相当分を補助。アレルギーなどで給食を食べない児童生徒も対象だ。市教育委員会担当者は「市内に住む子どもを幅広く支援しようと決断した」と語る。
ただ、こうした施策を全国に広げる場合、巨額の財源が必要だ。現在の年間の給食費の推計は公立だけで約4832億円。同省試算によると、公立の給食費の全国平均を国立や私立に当てはめた場合、全体で計約5100億円に膨らむ。政府は26年度から、少子化対策の財源を公的医療保険に上乗せする支援金の徴収を始めるが、無償化は支援金の対象外のため、新たな財源を調達する必要がある。
[時事通信社]
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