橋本総業に立ち入り=運送業者に時間外料金未払いの疑い―公取委
委託する運送事業者に時間外料金を支払っていなかった疑いなどがあるとして、公正取引委員会は11日、独禁法違反(不公正な取引方法)容疑で、東証スタンダード上場「橋本総業ホールディングス」の100%子会社で、住宅設備機器販売などを手掛ける「橋本総業」(東京都中央区)を立ち入り検査した。関係者への取材で分かった。
独禁法は、荷主と事業者の取引について、荷主側の優越的地位の乱用を規制する「物流特殊指定」を定めている。公取委が同指定を巡り、立ち入り検査するのは初めて。
物流業界は、残業時間規制の導入により輸送力が不足する「2024年問題」に直面している。今回の立ち入りは、荷主と運送業者との関係性にも影響を与えそうだ。
関係者によると、橋本総業は仕入れた住宅設備機器などを販売店に卸す際、運送事業者に配送や積み込みの作業を委託していたが、時間外料金を支払わず、代金も「割戻金」の名目で、数%減額していた疑いが持たれている。
橋本総業のホームページなどによると、同社は2015年4月設立で、資本金は1億100万円。23年3月期の売上高は約1352億円。
橋本総業ホールディングスは11日、「当社および橋本総業は、公正取引委員会の検査に全面的に協力していく」とコメントした。
[時事通信社]
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