GDP、年1.8%減に上方修正=設備投資に底堅さ―2期ぶりマイナス変わらず・1~3月期
内閣府が10日発表した2024年1~3月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.5%減、この成長ペースが1年続いた場合の年率換算で1.8%減となった。企業の設備投資に底堅さが見られたことを反映し、5月発表の速報値(前期比0.5%減、年率2.0%減)から上方修正された。ただ、2四半期ぶりのマイナス成長は速報段階と変わらなかった。
ダイハツ工業の認証不正問題に伴う自動車の減産が設備投資や個人消費、輸出に響いたためで、景気の回復はいったん足踏み状態となった。
企業の設備投資は0.4%減と、速報の0.8%減から上方修正された。法人企業統計の結果が好調だったことを反映したものの、2四半期ぶりのマイナス。
内需の柱である個人消費は0.74%減と、速報の0.68%減から下方修正され、4四半期連続のマイナスだった。電話代や高速道路料金などのサービス消費が下振れした。ゲームや非アルコール飲料の減少も下押し要因となった。公共投資は3.0%増と、速報の3.1%増からわずかに下方修正された。
民間在庫の変動がGDPの増減に与える影響(寄与度)は0.3%増(速報値0.2%増)だった。
輸出は5.1%減(同5.0%減)、輸入は3.3%減(同3.4%減)に微修正された。
物価変動の影響を反映し、生活実感に近い名目GDPは前期比0.03%増、年率0.1%増で、速報の前期比0.1%増、年率0.4%増から下方修正となった。
23年度の実質GDP成長率は、速報値と同じ前年度比1.2%増と3年連続のプラス。実額で558兆円となり、これまで過去最高だった18年度(554兆円)を上回った。
[時事通信社]
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