今国会の解散見送り検討=岸田首相、政権立て直しを優先
岸田文雄首相(自民党総裁)は、23日に会期末を迎える今国会中の衆院解散を見送る方向で検討に入った。党派閥の裏金事件で世論の政治不信が高まり、国政・地方選挙に連敗。当面は外交や経済再生に注力し、政権の立て直しを急ぐ必要があるとの判断に傾いている。9月に想定される総裁選で勝利すれば、今秋を軸に改めてタイミングを探る構えだ。
複数の政府・与党関係者が5日、明らかにした。首相は「重要法案を成立させて国会を終えることしか考えていない」と周囲に語っているという。
首相は当初、今国会中に解散して衆院選で勝利し、総裁再選を図る戦略を描いていた。しかし、裏金事件の党内処分に世論は納得せず、内閣支持率は政権発足以来の最低水準に低迷。4月の衆院3補欠選挙、5月の静岡県知事選はいずれも敗れた。
与党内では早期解散への反対論が大勢だ。自民の閣僚経験者は「今の状況で解散すれば大敗は免れない」と指摘。公明党の山口那津男代表は4日、記者団に「国民の政治不信はなお根強い」と慎重な対応を求めた。
こうした情勢を踏まえ、首相は「成果」を積み上げて政権浮揚を目指す構えだ。5日に児童手当を抜本的に拡充する改正子ども・子育て支援法が成立。肝煎りの定額減税も始まった。13日からイタリアで開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)など重要な外交日程も続く。
ただ、総裁選の勝利は見通せない。政治資金規正法改正で公明の主張を受け入れ、パーティー券購入者の公開基準額を「5万円超」へ引き下げたため、党内で「不協和音が拡大している」(幹部)。来夏には参院選も控える。重鎮は「みんな自分の選挙を考えて動きだす」と述べ、今後は退陣論が勢いを増すとの見方を示した。
[時事通信社]
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