トヨタ本社を立ち入り検査=悪質なら行政処分も―型式指定不正・国交省
自動車の大量生産に必要な認証「型式指定」を巡りトヨタ自動車などメーカー5社で不正が判明した問題で、国土交通省は4日、愛知県豊田市のトヨタ本社を立ち入り検査した。5日も継続し、関係者への聞き取りや書類の調査で不正の事実関係を確認する。残る4社についても、同日以降立ち入り検査する。
国交省は、検査で悪質性が確認されれば、行政処分を科す。昨年発覚したダイハツ工業などの認証不正では、再発防止策の策定などを求める是正命令を出し、特に悪質な不正があった車種について、事業者から意見を聞く「聴聞」の手続きを経て、型式指定を取り消した。
4日のトヨタへの立ち入り検査は午前9時半ごろに開始。大勢の報道陣が見守る中、国交省の職員5人が本社に入っていった。
国交省やトヨタによると、同社では2014年以降、安全性を確かめる衝突試験で、エアバッグがタイマーで作動するよう車両を加工したり、ボンネットの左側面の試験結果に右側面の結果を転用したりしていたことが判明。不正があった計7車種のうち、現在生産中の「カローラフィールダー」など3車種について、3日から出荷と販売を停止した。
型式指定を巡っては、ダイハツと豊田自動織機で昨年、相次いで不正が発覚。国交省は今年2月、自動車や装置の型式指定を取得しているメーカー、輸入販売業者計85社に、過去10年間の不正行為の有無を報告するよう指示していた。トヨタを含む17社は調査継続中という。
斉藤鉄夫国交相は4日の閣議後記者会見で、「ユーザーの信頼を損ない、自動車認証制度の根幹を揺るがす行為で極めて遺憾。ダイハツに続き不正が確認されたことを重く受け止めており、立ち入り検査の結果を踏まえ厳正に対処する」と話した。
[時事通信社]
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