2024-05-31 19:47経済

デフレ完全脱却の年に=十倉体制4年目始動―経団連

経団連の定時総会であいさつする十倉雅和会長=31日午後、東京・大手町の経団連会館

 経団連は31日、東京都内で定時総会を開き、十倉雅和会長は任期最終年となる4年目に入った。十倉氏は「30年来のデフレからの完全脱却を実現する歴史的な年にしたい」と表明。構造的な賃上げ定着に向け、下請け企業との取引適正化を浸透させるため、企業行動憲章などの実践を会員企業に求めた。
 総会には岸田文雄首相も出席した。2024年春闘で実現した高水準の賃上げを踏まえ、「勢いを来年以降に必ずつなげていくため、できることはすべてやっていく」と強調。「独禁法、下請法などもフルに動かして、中小企業の価格転嫁を促していく」との考えを示した。
 十倉氏は「社会課題の解決を通じた成長に官民連携で取り組む」とも説明。少子高齢化による労働力不足などを克服するため、外国人材の受け入れ策を議論する「外国人政策委員会」を31日付で設置した。
 総会後の記者会見で、十倉氏は自身の後任について「社会性の視座を持ち、いろいろなことを包括的に考えられる人が望ましい」と指摘。「今段階で決めていないが、製造業にこだわる時代ではない」とも語った。 
[時事通信社]

経団連の定時総会であいさつする岸田文雄首相(壇上)。左から2人目は十倉雅和経団連会長=31日午後、東京・大手町の経団連会館

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