失われたカラバッジョ絵画、スペインで初公開 危うく安値で売却
【マドリードAFP=時事】3年前に別の画家の作品として競売にかけられそうになったイタリア美術の巨匠カラバッジョの油彩画が27日、スペイン・マドリードのプラド美術館で公開された。≪写真はマドリードのプラド美術館で公開されたイタリアの巨匠カラバッジョの「Ecce Homo(この人を見よ≫」)
公開されたのは、1605~09年に制作された作品「Ecce Homo(この人を見よ)」。十字架にはりつけられる直前のイエス・キリストを描いている。
2021年にマドリードの競売会社が、17世紀のスペイン人画家ホセ・デ・リベラの弟子の作品として最低入札価格1500ユーロ(約25万円)で競売に掛けようとしたが、直前にスペイン文化省がカラバッジョ作品の可能性があるとして開催を阻止した。
今月に入りプラド美術館は、専門家の鑑定により「間違いなくカラバッジョの傑作」だと発表。「美術史上最大の発見の一つ」と称した。ルネサンス後期に活動したカラバッジョの作品はこれまでに約60点しか知られていない。
作品は修復され、一点展「失われたカラバッジョ」で初公開された。展示期間は9か月。
専門家の調査によると、この絵画は17世紀半ば、スペイン国王フェリペ4世の個人コレクションに加わり、次いで息子のカルロス2世の宮殿に飾られた。
その後、王立サン・フェルナンド美術アカデミーに遺贈され、1823年に外交官で後に首相となるエバリスト・ペレス・デ・カストロの手に渡った。
カストロが亡くなると子孫が相続したが、その後は2021年4月に確認されるまで約2世紀にわたり行方が分からなくなっていた。【翻訳編集AFPBBNews】
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