2種の化合物を検出=プベルル酸の腎毒性確認―小林製薬の紅麹サプリ・厚労省
小林製薬(大阪市)が製造した紅麹(べにこうじ)配合サプリメントを摂取した人から健康被害の訴えが相次いでいる問題で、厚生労働省は28日、サプリから「プベルル酸」以外の2種の化合物を検出したと明らかにした。青カビの混入が原因とみられる。また、プベルル酸が腎機能に悪影響を及ぼすこともラットによる実験で確認された。
国立医薬品食品衛生研究所(川崎市)が同社から過去3年分の紅麹原料の提供を受け、健康被害の報告のあった昨年6~8月の製造分を分析していた。
厚労省によると、2種の化合物は紅麹菌が有用成分の「モナコリンK」を作る過程で青カビが混入して生成されたとみられるという。
同社は4月以降、原料を製造していた同社の大阪工場(大阪市、昨年12月に閉鎖)の種菌培養室や、子会社の和歌山工場(和歌山県紀の川市)の培養タンクのふたの内面などから物質を採取し、同研究所に提出。検出された青カビを培養したところ、プベルル酸が産生されたという。
健康被害の訴えがあったサプリと、プベルル酸のみをそれぞれラットに食べさせたところ、腎臓の一部に変性や壊死(えし)が見られた。
同省は、青カビは紅麹の培養段階で混入したとみられると推定。プベルル酸が腎障害を引き起こすことは確認されたとし、他の2種の化合物が腎臓に与える影響を引き続き検証するとしている。
[時事通信社]
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