利下げ期待後退、ダウ失速=エヌビディア効果乏しく―米株式市場
【ニューヨーク時事】米株式市場で、4万ドルの大台突破を果たした代表的な株価指標、ダウ工業株30種平均の勢いが弱まっている。インフレが根強く、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げ開始時期を遅らせるとの観測が背景にある。ダウ構成銘柄ではないが、米半導体大手エヌビディアの好決算が株価全体の押し上げにつながらなかった期待外れも響いた。
米景気に対する楽観論を受け、ダウは17日に終値として初めて4万ドル台を付け、過去最高値を塗り替えた。
しかし、FRBが追加利上げの可能性を排除しないとした前回の金融政策決定会合の議事要旨や、インフレの根強さを示唆する米経済指標が引き金となり、投資家心理が悪化。24日の終値は3万9069.59ドルと、17日から934ドル下がった。
エヌビディアが22日発表した2024年2~4月期決算は売上高、純利益ともに四半期ベースで過去最高を更新した。生成AI(人工知能)の普及が進み、半導体需要の底堅さは変わらないとの見通しから、同社株は急伸。世界同時株高をもたらした今年2月の決算発表時のように、相場を大きく動かすとの観測もあったが、今回は関連銘柄に株高が波及しなかった。
エヌビディアが半導体業界で確固たる地位を築きつつあるため、「他企業の追随が容易ではない」(市場参加者)との見方がブレーキをかけた格好だ。
ダウが再び4万ドルに向けて息を吹き返せるかが今後の焦点となる。ただ、しつこいインフレで、高金利が長期化するとの見方が広がる中、当面は上値の重い展開が予想される。
[時事通信社]
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