審理の見通し立たず=長野4人殺害、25日で1年
長野県中野市で昨年5月、住民女性と警察官の計4人が殺害された事件は、25日で発生から1年となる。殺人などの罪で起訴された青木政憲被告(32)は裁判員裁判で審理される見通しだが、争点や進行などについて協議する公判前整理手続きも始まっておらず、審理の見通しは立っていない。弁護人によると、接見には応じているがほとんどのことに興味、関心を示さず、事件についての話もしていないという。
約3カ月間の鑑定留置を経て、昨年11月に起訴された青木被告は現在、長野県内の施設に収容されている。
接見は週1回で20分ほどだが、弁護士が質問をしても最低限の答えが返ってくるだけ。本や雑誌の差し入れを希望することもあるが、供述調書を差し入れようとしても「いらない」と拒否。公判前手続きには被告も出席できると伝えると、「出席しません」と答えたという。
事件は、昨年5月25日夕に発生。青木被告は、散歩中だった近所に住む竹内靖子さん=当時(70)=と村上幸枝さん=同(66)=をナイフで殺害。通報を受けて駆け付けた玉井良樹警視=同(46)=と池内卓夫警部=同(61)、いずれも2階級特進=を猟銃とナイフで襲って殺害した。
玉井警視らが所属していた中野署では24日、事件から1年を前に追悼式を開催。署員ら約80人が通報のあった午後4時26分に合わせて1分間の黙とうをささげた。村松朝生署長は「(2人の)志を引き継いで、治安維持に最善を尽くしていきましょう」と訓示した。
[時事通信社]
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