7割の企業、緩和副作用指摘=「新陳代謝が停滞」―日銀調査
日銀は20日、国内企業を対象に実施した「1990年代半ば以降の企業行動等に関するアンケート調査」の集計結果を公表した。過去25年間の金融緩和で9割程度の企業が効果を実感した一方、7割強が低金利で経営不振企業が存続してしまう「新陳代謝の停滞」など副作用を指摘した。
副作用について、29%の企業は「為替相場の動向」と回答した。企業からは最近の円安進行を念頭に、原材料高や事業策定などへの悪影響を懸念する声が聞かれたという。「新陳代謝の停滞」や「金融機関の収益力低下」もそれぞれ2割程度理由に挙げられた。
緩和の効果では、73%の企業が「借入金利の低下」を実感。「金融機関の融資姿勢の積極化」との回答も43%あった。
物価と賃金の関係について、「ともに緩やかに上昇」と「ほとんど変動しない」のどちらが好ましいか尋ねたところ、72%の企業が「上昇」を選択。理由では「賃金が増えると家計のマインドや消費にプラス」との回答が7割を超えた。
調査は、日銀が過去25年間の金融政策を検証する「多角的レビュー」の一環として実施した。昨年11月~今年2月ごろ、金融機関を除く国内企業約2500社を対象に行い、2256社から回答を得た。
[時事通信社]
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