ビキニ70年、ブルーレイ復刻=新藤兼人監督「第五福竜丸」―担当者「核問題考える契機に」
遠洋マグロ漁船「第五福竜丸」が太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁で水爆実験に遭遇してから70年。この問題を題材とした映画「第五福竜丸」(1959年、新藤兼人監督)がこのほど、ブルーレイディスクで復刻された。携わった第五福竜丸展示館(東京都江東区)の担当者は「映画が核問題を考えるきっかけになれば」と期待を寄せる。
第五福竜丸(静岡・焼津港)は54年3月1日、米国が行った水爆実験で「死の灰」を浴び、乗組員23人全員が被ばく。元無線長久保山愛吉さん=当時(40)=は半年後に亡くなり、人類初の水爆犠牲者となった。生存者は現在2人とみられる。
映画は107分で、被ばく時の状況や乗組員の帰港後の様子などがドキュメンタリーで描かれている。DVDで販売されていたが廃盤になり、展示館は、70年の節目事業として復刻を計画。今月1日に販売が始まった。
展示館の安田和也学芸員は「被ばく者から話を直接聞くのが難しくなった今こそ、映画を通じ、多くの人に第五福竜丸の問題を実感してもらいたい」と強調。ロシアによるウクライナ侵攻で核兵器の使用が示唆されたことなどに触れ、「日本にいる私たちも核と無関係ではいられない。被ばくの悲劇について改めて学ぶとともに、展示館に保存されている船体も見に来てほしい」と話している。
ブルーレイは1枚3000円(税込み)。展示館で2009年に開かれたコンサートの様子などが特典映像として入っている。問い合わせは展示館03(3521)8494。メールアドレスはfukuryumaru@msa.biglobe.ne.jp
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[時事通信社]
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