感染症、経済で共同文書=北朝鮮対応も焦点―日中韓サミット
日中韓3カ国は26、27両日のソウル開催を目指す首脳会談(サミット)で、感染症対策や経済協力の取り組み推進を盛り込んだ共同文書の発表に向け調整に入った。複数の日本政府関係者が19日、明らかにした。対北朝鮮で足並みをそろえられるかも焦点だ。
3カ国は(1)人的交流(2)科学技術(3)持続可能な開発(4)公衆衛生(5)経済協力・貿易(6)平和・安全保障―の6分野を中心に議論。新型コロナウイルス感染拡大後の初開催となることを踏まえ、感染症のパンデミック(世界的大流行)への備えや情報共有などに関する連携を確認する方向だ。
経済協力については、自由で公正な貿易・投資の促進や、サプライチェーン(供給網)の連結性向上で一致する見通し。3カ国共通の課題となる少子高齢化でも、「健康的な高齢化」に関する知見共有などを目指す。
日韓両国は、核・ミサイル開発を進める北朝鮮への対応で、影響力を持つ中国に建設的な役割を期待する。しかし、中国は昨年11月の3カ国外相会談で日韓両国の懸念に同調せず、対北朝鮮制裁に関する今年3月の国連専門家パネルの任期延長案採決も棄権。日本外務省幹部は「対北朝鮮の立場は日韓と中国で開きがある。楽観できない」と身構える。
日中韓サミットは、実現すれば2019年12月以来、約4年半ぶり9回目となる。原則年1回の持ち回り開催だが、2国間の関係悪化やコロナ禍の影響などで、これまでたびたび中断してきた。
過去のサミットは、歴史認識を巡り「日本対中韓」の構図になりがちだった。ただ、日韓両国はこの1年余りで急速に関係を改善し、安保分野で米国との連携も進めている。
これに対し、中国は「包囲網」構築を警戒。今回のサミットを通じ、日米韓3カ国にくさびを打ち込む思惑も透ける。
日本から岸田文雄首相、中国から李強首相、韓国から尹錫悦大統領が出席を予定。岸田首相は現地滞在中、両氏との個別会談も調整している。
[時事通信社]
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