「すぐ埋まる」せかすように勧誘=容疑者、人気商品装ったか―社債無登録販売事件・警視庁
不動産コンサルティング会社「ザ・グランシールド」の社長らが無登録で社債への投資を募ったとして逮捕された事件で、同社社長の中村佳敬容疑者(46)らが「社債は募集をかければすぐ埋まる」「早いもの順」などとせかすようにして、顧客を勧誘していたことが15日、警視庁生活経済課への取材で分かった。
グラン社は社債発行元の経営コンサル会社「トラステール」について「大手保険会社が絡んでいるから倒産しない」と話していたことも判明。同課は、中村容疑者らが投資家をあおるようにして社債を販売していたとみて調べている。
同課によると、中村容疑者らは2017年2月からの約6年間、「元本保証で年2割の配当がある」などとうたい、宮城や兵庫、福岡など36都府県の計約1300人から約80億円を集めたとみられている。
中村容疑者は自身や従業員の人脈を使って、主に20~50代の投資家を勧誘。ミス・ユニバースなどのイベントにも参加して投資を募っており、「募集をかければすぐ埋まる」「49口限定で早いもの順」などと人気があるように装って、社債を販売していた。
トラステールについては、医療機関が金融機関から受ける債務を保証していると説明。「大手保険会社が絡んでいるから倒産しない」と言って、投資家を安心させようとしていた。
トラステールは当初、年2割の配当を払っていたが、昨年2月に支払いが止まり、同10月に東京地裁で破産手続きの開始決定を受けた。実際には債務保証業務はしていなかったとみられる。
[時事通信社]
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